レビューとメモ

見た展示や動画などの一言レビューとかメモとか覚え書きのようなものです。

ベイマックス


 超絶的におもしろい  ☆☆☆☆


 あんまり、そそらない題材ではあったが、見たら、やたら面白かった。技術力が凄すぎる。最近、インターステラー、ゴーンガール、ベイマックスと見たのが当たり続きなので嬉しい。


 こういうラセターのような才能をトップに冠しながらも、基本、チーム戦で構築的に一つの作品を作って行く今のネットワークを媒介とした美術のあり方みたいなのが、今のハリウッドにフィットしているのだろう。と見て思った。


 日本だとジャニーズやAKB、エグザイルとか、音楽がそのような様式になっているけど、アメリカでは、ハリウッドに才能が集結してる感じ。


 それにしても、チーム戦になると分かりやすいアイコンも必要であるし。続編が増えるわけだけど、こういう新たなメジャータイトル(アイコン)になりそうなものに出会うと嬉しい。続きも楽しみ(そして、3作目ぐらいやると飽きそうだが)

 

 しかし、最近、ハリウッドで日本的意匠が流行りなのかな。日本人が主人公だし。結構、援用も多かった印象。そういえば、トランスフォーマーも元を正せばそうであるから、かつて、子ども向けアニメが世界に流れた事によって、世界的にそういうものに馴染みがあるという事か。

 

 

長谷川等伯「松林図屏風」

 

 東京国立博物館

 

 

 めちゃくちゃ凄い ☆☆☆☆☆

 

 

 新春公開という事で、見て来た。近づくと筆致が荒く、遠目で見ると静謐。草稿との話もあるが、抽象表現主義などを通った現代の目で見ると、ほとんど完璧な一作。

 

 昔の作品なので、偶然の産物な可能性もあるような気がするが、それも含めて、凄いの一言。今まで見た日本の美術の中でもトップクラスかも。(ほか、自分が見た中で、これはワールドクラスだなと思った日本の絵としては、小磯良平「斉唱」などがある。<無論、これは個人の好みやタイミングにもよる。松本竣介香月泰男川端実など、(ある時期の)概ねの作品が好きな作家もいるが、これは逆に作家主義的な好みだろうと思う。)

 

 久々のメモでした。(前が花子とアンとか・・・マッサンも見ております。)

 

花子とアン

http://www.nhk.or.jp/hanako/

 

思いのほか面白い  ☆☆☆

 

 

あまごちが面白かったので、その疲れもあり、そんなに期待せず、最初の方は見てなかったのだけど、ふとした拍子に再放送を見たら、一発でハマった。

 

 

描写も丁寧だし。画面も好きな感じで(田舎のシーンはちょっと板についてないというか違和感があるけど)、演技も好感が持てる。

 

 

最近は、こういう勉強して立身出世するような話に弱い面もあるかもしれない。

 

 

勉強して人生が変わるのは今もそうなんだけど、今の時代でそういう話をしたら、あんまりリアリティ無いだろうし。こういう事がある所が昔は夢があったみたいに語られる主要な部分なのだろうなーと思いつつ、見てる。もっとも、主人公を通さず、冷静に見ると、階層差が今の比じゃないくらい固定されてて、あんまり夢のない時代なんだけども(だからこそ夢が際立つというか)。

 

 

「アナと雪の女王」

 

http://ugc.disney.co.jp/blog/movie/category/anayuki

 

 

 見た。凄かった。  ☆☆☆

 

 

 とにかく凄い映像だった。こないだの「ゼロ・グラビティ」もそうだが、最近のハリウッド映画はまた一つ何かの技術が上がったのかなという感じもしなくもない。なんか見てて、凄いなっていう感じがあった。

 

 

 アナのキャラクターの作り込みも凄い。ホントに生きてるみたいというか、アニメで再現するには凄いキャラクター設定だと思った。

 

 

 音楽も良い。ミュージカル仕立てだが、曲が楽しいので、見ていて楽しい部分もある。自分は吹き替えで見たので、最初ちょっと違和感を感じたが、しかし、主役の神田沙也加も思いのほか巧かった。最初は普通に声優さんがやってるものだと思って見てた。

 

 

 ストーリーも面白く、全体的に良い映画だった。

 

 

タカノ綾「すべてが至福の海にとけますように」

 

http://gallery-kaikaikiki.com/

 

 

ようやく見た。じわじわと良かった。 ☆☆☆

 

 

カイカイキキギャラリーにて、タカノ綾、日本では8年ぶりとなる個展が開催中。震災をテーマにした展覧会だそうだが、3月11日に見てきた。

 

その前に、8年前の展覧会、パルコでやった「都会犬」だと思うが、それを偶然にも見ている。

 

その時は、たぶん映画を見る前に時間が空いたので、ふらっと入ったような記憶があるが衝撃を受けた。日本人の展覧会という事では生涯ベスト3に入るような出来というか、今でもその時の記憶を鮮明に思い出せるほど鮮烈な印象がある。

 

それを受けての今回の感想なので、ちょっと思い入れというか、先入観がある。

 

色々思う所あって、感想が長くなりそうだが、そういうのはひとまず割愛して、全体的には、随分、絵が変わったなー。落ち着いてるなーというか、次元の位相の狂うような絵だと思った。例えば、絵が軽いのか深いのかとか。構成がどうなのかとか。絵がデカいので、余計に画面をうろうろする。

 
 
そんな感じで見てるうちに、最初は、キャンバスの絵よりアクリル板やセル画の絵にピンと来ていたのだけど、途中から、やっぱり、キャンバスの方が良いなーと虜になった。
 
 
キャンバスの絵は、マチエール等そんなに凝ってる風でもなく、描写も早そう。基本的には、絵が積極的に深みを排除してるようにも見えるけど、最終的には、絵が深いなーという印象になって、そういうのはディテールとか画題とかだろうなーとは思うけど、そういう事をいちいち捉えてる内に頭がぐるぐるしてしまう。

 

或いは、もっと単純にこの絵は雑なのか丁寧なのか?とか、そのバランス感覚が絶妙で見るポイントがぐるぐると回る所もある。単に、妙なのかもしれない。
 
 
しかし、全体的には自分たちに「近い絵」だと言えるんだろう。マンガ的な絵の延長で落書き的に描ける感じが全体的に漂う。実際に描けるかはともかく、その上で、だからこその「遠さ」が鮮明になる。
 
 
例えば、それは、前に同じ場所で見たアンセルム・ライラとかを思い出しつつ、ああ、あれとは違うなー。これがアートなのかー。自分たちと近いものだなー。デザフェスギャラリーにあってもおかしくなさそうだなー。とはいえ、こんなのあったら、絶対、ビビるだろうなー。こんなの絶対、描けないなー。遠いなー。というような、そんな感想。
 
 

 

そういった全体のバランスがいちいち妙な地点で決まっている感じがする。これはディテールの描写に依る所が大きい気がしないでもないけど、それ自体も単なる「才能」か?とも思わないでもない。単に天才なのかもしれない。

 

 

この感想は、例えば、奈良美智の絵を見た時の感想とは、全然ちがう。しかし、岡崎京子のマンガを読んだときの感想などには、近いのかもしれない。速度感の早さは、結構な重要性な気もするし。そういうのが沸き立たせる部分もあるのではないか。そこに「深み」が加わってきた感じがある。こういうのは、絵をセンスで捉えて、単に「良いなー」ってなってしまう。

 

いずれにせよ、これを見て、やっぱ、絵は良いなー。アートは良いなー。アートが一番「高み」を蓄積する手段としては良いんじゃないか?そんな事も思った。

 

ひとまず、あとは画集が到着してから考えたい。前見た時もそうだったが、見終わっての感想が結局「よく分からない」なので、感想も書きづらい。そんな感じに収束しつつ、でも、結局は、絵に惹かれて行き、そしてまた「次」が見たいと思わされる。そんな絵だった。

 

E-girls「Diamond Only」MV

 

 


E-girls / Diamond Only (Music Video) - YouTube

 

 

 完璧にコマーシャルな作品  ☆☆☆

 

 

 素晴らしすぎる。

 

 

 人の内面をほとんど描く事もなく、ファッションとダンスと軽快な音楽で成り立ってる様式美のような感じでポップ。これだけ高性能なものは久々に見た感じ。

 

 

 Follow me以来、久々にE-girlsでハマったというか、ハマったのが2曲というべきか(candy smileも好きだけど)。

 

 

 途中の揃いの振り付けも良い。フォーメーションダンス的な奴。曲中、あれが素晴らしくアクセントになっていて、女性じゃないのにバッグが欲しくなる。女性じゃないので、買わないけど。

 

 

 フォーメーションダンスといえば、最近はモーニング娘。がしきりに言っているが、モーニング娘。がロック的な衝動を表現する為にフォーメーションダンスを採用してるのであろう事に比べ、E-girlsは完璧に訓練された「エンターテイメント」に徹していて「プロの技」という感じがする。人数の多さをうまく表現に使っていて、見せ方が素晴らしく上手い。

 

 

 今回、曲調もそうだが、冒頭には、制服ダンスもあり、割と過去の必勝パターンを踏襲してきた感じ。これはガチで凄いな。

 

 


E-girls / 制服ダンス ~Diamond Only~ - YouTube

 

「シャガール 版画の世界」@館林美術館

 

 

http://www.gmat.pref.gunma.jp/

 

 

 流石のクオリティ ☆☆

 

 

 ご近所の館林美術館にシャガールの版画を見に行った。

 

 

 そんなに期待してなかったので、用事のついでにちょいちょいっと行く予定だったけど、結構、ガッツリ見てしまい、流石の出来だった。

 

 

 版画とはいえ、流石の巨匠の作で、自由度の高さを感じさせる描線と、プリントでは全く再現され得ない鮮やかな色彩に、いたく感動した。

 

 

 内容は、館林美術館と群馬県立近代美術館の所蔵する版画をずらりと並べた展覧会で、点数も多く、充実の内容といえば、充実の内容だし。本画が無いので物足りないといえば、物足りないものだ。

 

 

 全体的には、バルビエ×ラブルールの流れに似た軽くて見応えのある展覧会といった作りで、前後期で展示替えもあるらしいが、500円で安いので、両方見てもコストパフォーマンスも良い感じ(ご近所で交通費かからなければだけど。。。)

 

 

 シャガールに関しては、青森県立美術館でかなりガッツリした展覧会を見た気がするが、記憶にあるのが舞台衣装と舞台背景のどでかい絵ぐらいで、あとはどういう感想だったかサッパリ覚えてない。しかし、今回見たら、強く影響を受けそうな作風だなと思った。(もっとも、その時は自分の中で歴代ナンバーワンの展覧会「AtoZ展」のついでだったので、そのせいで印象が薄いのもあるかもしれないが)

 

 

 もともと、作家自体に関しては、周りに好きな人もいて、結構、意識してる作家だったりする部分はあるが、なんというか「自由度」みたいな事を考える時に参考になる作家だなーと思う。

 

 

 版画というのも、イラストレーション的で(というか、イラストレーションなので)、むしろ、見て分かりやすく楽しい部分もあったかも。こういう方が個人的好みには合致してたのかもしれない(そういえば、若き日にゴヤの版画見て、強く影響を受けた事を思い出した)。

 

 

 また、版画の出来は、シリーズによって、出来の差が激しく、そのあたりも面白かった。何が良い絵で、何が悪いのか?そういう事も考えながら見ると面白い。

 

 

 やはり、歴史的巨匠の作品はナンダカンダ言っても、凄いなと思わされた展覧会だった。いや、ダメな版画シリーズだけだったら、ダメなんだろうけど。。。