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凄まじい傑作 ☆☆
凄まじい傑作と言って、星2つだけかよ!って感じもしないでもないけど、感覚的には、そんな感じ。
見終わったあとは、言いたい事がキッチリ描かれていて、なんて凄いんだ!!!!!ってなるけど、映画が面白いか?というと、結構、微妙には思う。特に序盤が冗長すぎて、しんどくて、ヤバいの入っちゃったわ。これ2時間半見るのか。。。っていう風になった。特に音楽が生理的に合わなすぎて。。。
とはいえ、一人の一生を「たった」2時間半で描き切ったのは凄いなって思う。最初から最後までに至るキッチリ感が凄すぎて、終わった瞬間、「これは名作だわー。保存したいわー」って感じになる。
実際問題、娯楽として、これを考えるとどうなのかな?とは思うし。芸術映画として、これを考えてもどうなのかな?と思う所もあるが、絶妙な演出力で「ここでしか見られないもの」を独自のポジションで作り上げた気はする。
題材的には、都会と田舎の関係性みたいな「おもひでぽろぽろ」や「平成狸合戦ぽんぽこ」から連なるテーマだと思うが、それを「かぐや姫」という日本最大級のヒロイン一本に通す事によって、ばしっとハマってる感が半端ないなっていう事は思った。こういう葛藤こそが人生だなっていうか、現代的な問題と古典とがうまく合わさってると言うか。
無論、逆にかぐや姫という「みんな知ってる」古い題材を持って来てるが故に魅力に欠けてるのではないか?という点も無きにしもあらずだが。
しかし、後世にも受け継がれる「今の映画」を創ろうとしたのだとしたら、かぐや姫である事で、これ以上ないものが出来たのではないか?という事は思う。ていうか、これを見たら、向こう何十年間かぐらい、竹取物語を映画化しづらいように思うレベルの出来ではないかと思うし。この物語以後、かぐや姫のキャラクター性がこの映画に引っ張られてしまうのではないか?という感じもしないでもない。少なくとも、自分は引っ張られると思う。なんで、こんな事を思いつくのか(勉強の賜物なんでしょうが)。
あと、作画は全体的には、凄いなって感じもあるけど、多分ある程度、絵が崩れてこうなってない?って疑う様なシーンも無いではなかった。新しい手法で難しかったのもあるんだろうが、なんか、どうなんだろうと思う所もあった。まあ、全体的には、凄いなって感じなんだけど。
いずれにしても、凄い映画なのに、なんか、こう、これが見たかったんだ!って感じにならない感じにもやもや感はあるかも。いや、題材的には割りと自分の考えてる事にどんぴしゃで影響を受けた所もあるんだけども。というより、終わってみれば、十二分に面白い映画だったのだけれども。