面白かった ☆
最近、写実絵画について考える事が多く、写実をどういう理由で描いてるのか?考え方が知りたくて買ってみた。
個人的に、ホキ美術館には行った事ないのだが、その前後というか、それより前だと思うけど、なんとなく写実が時代にフィットしてきてるなーと思ってた時期があって、それが今に至って、流行っているなーという感じになってきているように思う。
自分の理解だと、割りと写実は、ある種の個性を排する事によるミニマルアート的な部分があるのかなーと思っていて、絵的にも、動的というよりは、静謐なものが流行っているような感じはしている。
もう一つ言うと、アートの世界が自由になりすぎて何をしたら良いか分からない所に、ある種の「型」を作って、そこの範囲内で一人の作家が色々な事を試す方法論が流行っているのかな?という気もしている。特に、これがアメリカだと、抽象表現主義のような流れに至るのだろうけど、日本ではまだポロックすら知らない美術好きの人が結構な数いる所で、ある種、写実が分かりやすく受けてきた部分もあるのだろう。
無論、自分が日本で写実が流行るのは、どういう事かなー?と考えた所で、下手な考えなんとやらなので、ひとまず、こういう本を読んでみたりしてみるわけだが。
と言っても、知らないものは、やはり、理解が浅く、そんなにはまだどういう事なのかは分からないのだけれど。
とりあえず、この本を読むと、「単純化」とか「禅」という言葉も出て来てるので、やはり、ある種、ミニマルな所はあるのかなという気はする。
また、ここに載ってる絵を見ると、写実と言っても、やはり、日本的なイメージがあり、海外のものと比べるとウェットな印象を受けるなーという感じはする。ある種の「日本的な概念」を表現するのに、写実と言う表現が適している感じはしなくもない。(本の中の話では、海外の写実があまり無いような印象を受けるが、個人的には、結構見た気がするので「リアリズム 絵画」」で検索かけた所、やはり、結構出て来て、やはり、硬質なイメージの作品が多かった。それが本の中で言わんとしてる写実と一緒かどうかは分からないけれど)
あと、そもそも、前述の「ゼロ・グラビティ」もそうだけど、ハリウッドの3DCGは、ほぼ写実と言って良いつくり方であれだけの表現をしてきているわけだから、そういうものと比べて、絵画はどうなのか?どのように位置づくのか?という事も、ここ最近の美術のトピックではあるなーとも思う。
そして、その考えで行くと、ひとまず、ハリウッドでの人物写実描写を切り拓いたのがファイナルファンタジーだったなーという事も思い出したので、やはり、日本と写実はフィットするのかなー。などという事も思った。
と、以上。やっぱり、浅薄な知識はまとまらず。
とりあえず、いずれホキ美術館に行かねば。