タリン・サイモンの花の作品がある事に気付き、話題の「あいちトリエンナーレ」に行ってきた。
気になった作品をいくつか、メモ的に。
タリン・サイモン(T08) | あいちトリエンナーレ2019
一番の目当て。花の作品はガゴシアンとかartnetのアカウントとかで一時期よく見ていて気になっていたが、想像以上に良かった。やはり、実物は違うなという印象。
何が良いかというと、まずパッと見て単純に良いのだけど、図像がフォトジェニックなだけでなく、その裏側にあるメッセージがハードで導入からコアなところまで非常にスムーズに誘導されてて感嘆した。それは写真の大きさとメモの大きさの対比とか配置とか、そういうの全てを含めて。非常に巧みな展示だった。レベルが高い。
ホー・ツーニェン(T04) | あいちトリエンナーレ2019
喜楽亭。今回、大人気だったみたいだが、朝一で見たので、しっかり見られた。映像作品としても出色だが、空間の使い方がめちゃくちゃ巧い。音とかも絶妙にかぶらないというか、かぶってるというか良い感じ。ただ、内容は難しく、一回見ただけだと消化できずにそれが逆に心に残る感じもある。時間があれば、二周目回りたかったところだけど、時間もないし。終わって、入口見たら、お客さんがびっしりというか、靴がズラーっと並んでて、それも壮観だったが、二周目はどう考えても無理な感じだった。アトラクション的なところもあるし。人気になるのもよく分かる。良い展示だった。
シール・フロイヤー(T07) | あいちトリエンナーレ2019
一発ネタみたいな感じだが、非常にスマートでじわっと心に残った。愛知県美術館の方も良かった。
レニエール・レイバ・ノボ(T10) | あいちトリエンナーレ2019
展示再開で運良く見られたが、コンクリート的な支持体にロシア構成主義っぽい図像が描かれていて良かった。というか、今、ホームページで説明文読んだけど、あれはポスターの配色そのままなのか。なるほど。
小田原 のどか(T02b) | あいちトリエンナーレ2019
展示自体はよくわからなかったが、あとでもらった紙を読んでたら、文章がすごい面白くて、なるほど!と思った。調査系?みたいな感じで、ある意味、ホー・ツーニェンとかと通底しているような。時間があれば、読んでから、じっくり見たかったかも。
袁廣鳴(ユェン・グァンミン)(A20) | あいちトリエンナーレ2019
日常演習。映像がかっこよくて、押井守が六本木ヒルズでやった映像を思い出した。見てると人がいなくて、は?お正月?CG?日本ではないのか。。。となったが、解説を読むと台湾に日常演習というものがあるのを知り、なるほどと思った。そして、今気づいたけど、もう一つの爆発の映像も同じ作家のものだったらしく、こちらも、というか、こちらの方が好きだったが、すごい良かった。現実と虚構というテーマを聞くと、やはり、押井守を思い出してしまうし。なぜかテンションが上がってしまうな(世代)。。。
ワリード・ベシュティ(A25) | あいちトリエンナーレ2019
FedExとか。単純によくこんなの思いつくなーと感心した。展示自体はあっさりしてたが、ネタ的に面白かった。
タニア・ブルゲラ(A30) | あいちトリエンナーレ2019
非常にスマートな展示。単純だが多層性がある。現地でないと絶対味わえないという意味でも良いインスタレーション。
ミリアム・カーン(A31) | あいちトリエンナーレ2019
今回のもう一つの目当て。今回、絵が少なかったのもあり、ガーン!と来た。一番最初に青が目に入る配置もテンションが上がった。よかった。
ウーゴ・ロンディノーネ(A06) | あいちトリエンナーレ2019
今回、ポスターにもなってる目玉?展示。非常にフォトジェニックだけど、実際に見るとちょっと写真と印象が違うかも。表情とかは思ったより人形っぽさがあるけど、ポージングが非常に巧みで衣装のセンスも良く、そこがリアルなんだなという感じ。ずっと見てられるような心地よさと楽しさ。
dividual inc.(A14) | あいちトリエンナーレ2019
遺言。展示のビジュアルもよく、思いのほか、面白かった。ただ、しょうがないといえば、しょうがないけど、全体的にタイピング速度を上げてくれると読みやすくて良かったかも。まあ、それはしょうがないし。こちらが駆け足で回ってて、ゆとりがなかった感想ではあるけど。
梁志和(リョン・チーウォー)+黄志恒(サラ・ウォン)(S03) | あいちトリエンナーレ2019
街中での展示。ぱっと見、ギャラリーでも良かったのになーと思うような写真だったが、机にある古い写真を見て、なるほど。このネタは街中だなーと思って、よくできてた。
洪松明(ソンミン・アン)&ジェイソン・メイリング(S04) | あいちトリエンナーレ2019
パワポで作ったらしく感心した。パワポのせいもあるのか、ちょっとvaporwave系?って感じもあって、趣味にもちょっと合ってた。
最後に見て、やっぱり、絵は良いなーとなった。あと、良い意味で日本の作家っぽいなーという感じ。
【全体の感想】
自分が見たいのが豊田に集中してたので豊田中心にじっくり見た。名古屋市美術館はスルーして、名古屋は全般的に駆け足なので、感想も見方もちょっと雑だったとは思う。それは残念。あと、時間の関係でキュンチョメが見られなかったのが、かなり残念。話題になってるし。あとでどこかの美術館が収蔵してくれないかな。
全体的には、(自分の普段行くところでいうと)水戸芸とかその辺りでやってる作品の感じと近いのかなと言う印象(かぶってる作家も多いし)。日本の作家は若手が多く、フックアップの意味合いも強いのかも。映像も多く、お近くの方がフリーパスで会期じっくり見るには良いのかなと思った。一日だと結構辛い。近所でやったら、5回ぐらいは行ってると思う。スタッフの方たちもすごく丁寧で感じがよく、印象に残った。
個人的には、地方芸術祭は歩き回るのが嫌で、あまり行かない方なので、最初ノーチェックだったんだけど、ツイッターでタリン・サイモンの花の写真が流れてきて、え!あるの!という感じで、急遽予定立てて、なんとか間に合って良かった。騒動で予定が立てづらかったのは嫌だったけど、結果的には全部再開状態で見られて良かったかも(まあ、それが普通なんだけど)。
会場的にも愛知芸術文化センターに作品が集中してたので、そこは見やすくて良かった。豊田メインで考えてたけど、やっぱり、全体的なテンションはそっちの方が上がったかも。会場間移動もよくよく考えると東京で美術館・ギャラリー巡りするよりは遥かに楽だし。都市型美術展は今度から作家とか、作品チェックしておこうと思った。