レビューとメモ

見た展示や動画などの一言レビューとかメモとか覚え書きのようなものです。

展覧会の感想

 忘れないうちに展覧会のメモを。


 川村記念美術館の「カラーフィールド」が9/4までという事で、慌ててお盆に行ってきた。

 

kawamura-museum.dic.co.jp


 この9/4というのが結構曲者で、脳内では9月までだなとまだ余裕がある気になるのだが、実質9月はほとんど無く8月までみたいなもんで、これで何個か美術展を見逃した経験がある。というのを踏まえて、今回はセーフ。行って正解。これが素晴らしい展覧会だった。⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ という感じ。


 しかし、企画展もよかったが、3年ぶりに見たロスコルームに尋常じゃないぐらい感動が。ここだけ圧倒的 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 久々に見るとこんなに良いんだな。コロナ前は毎年のように見ていたが、我慢して間を空けてみるのも良いのかもしれない。ただ、結局、川村美術館、良い企画展が年一ぐらいではあるんだよな。


 車で行ったので、ついでに足を伸ばしてホキ美術館も。

 

www.hoki-museum.jp

 

 こちらは予約制のせいか空いてて、ゆったり見られた。写実の美術館だが、初めてだったので、結構、楽しめた。⭐︎⭐︎⭐︎ という感じ

 

 カラーフィールドに合わせたのか、最初の方が色をポイントとした企画展になっていた。

 

www.hoki-museum.info

 

 ただ、カラーフィールドに比べると、ある程度、解析可能な作品が多いので、企画を立てても絵ごとの差異が少ないように感じたかも。


 写実に関しては面白い面もあって技法を得られたら楽しそうだなと思うが、静物画と風景画は昔の欧州の絵をそれほど超えてないし。人物画に今っぽさはあるけど、モデルを描いてるのだとすると結局、モデルの容姿に頼る面が大きいように感じたので、ウォーホルみたいに、いっそ芸能人とかを描いた方が良いんじゃないかみたいな事は思った。綺麗な人が多かったので芸能人を描いてる人もいるのかもしれないけど。


 全体的には、フォルムに差は作りづらいので、結局、作家性の多くは色調に出るのかなみたいな事も思った。まあ、水は結構、描くのが難しいから、水とか透明素材を描くと感動が少し増すのかなとも思うが、しかし、ちょっと前にリヒターを見てたせいか、確かにリヒターみたいにああやってぼかすと絵の神秘性が増して面白いのかもと逆説的に感じてしまったりもしたり。これは単に自分が抽象画が好きだからなだけの可能性もあるけど。同行者は写実画にいたく感動していたので。


 あ、あと、これも昔の欧州の絵(特にアングルとか)の感想と一緒になるけど、人物画はやっぱりヌードの方が良いなと思う所が多く、なるほど、これがチャンギジー言うところの人間の目は肌の色感だけすごく細かく感知するみたいな事なのかなという事も思った。と言っても、女性が多かったので、単にエロなのかもしれないけど、でも、肌の描写が綺麗だなーと感じる事は多くて、自分でもちょっと描きたくなった。というか、その感想は単に森本草介さんの絵に対してかもしれないけど。風景の色調も良かったし。


 いずれにしても、展覧会、両方良かったので、満足な1日だった。リヒター展がピンと来なくて、あれ?と思っていたけど、良い絵を見て、良い絵の感覚を思い出した気がする。いや、リヒターは良い絵って感じではないので、そういう感想になったのかもしれないけど。絵を見ると言うより、頭がずっと動く感じというか、他の絵を見てても、未だにふと考えてしまうし。絵を見る良さが戻ってきたところで、もう一回リヒターを見に行っても良いのかもしれない。