http://www.gmat.pref.gunma.jp/ex/ex1.html
とにかく巧い ☆☆
このクラスの作家に巧いという表現を使うのもどうなのかと思いつつ、見てると思わず「巧いな〜」と思う。
今回、見て思ったのは、絵も巧いけど、字も巧いという事で、とにかくその巧さ故に自由を感じる絵だなという事を思った。何でも描けそうだなというか。
山口晃の絵は、上野でも見てるし。エルメスギャラリーなども行ったので、結構、目にする機会が多く、作品の多くも見た事はあったが、今回の目玉は若き日の桐生での作品な気もして、そこだけちょっと熱があるというか、作風が違うなと思って面白かった。当たり前な感想かもしれないけど。
こうした感想は、全体的には、絵のみならず、全ての作品に抑制が利いていて、絵もその描き込み量に反して、あまり熱を感じない所があるからでもある。ある意味では、「巧さ」というよりは、「手並み」の凄さを見る感じで、このへんは現代美術家らしく、こないだ見たアンセルムライラなどの感覚とも多少ダブる所がある。
ひとまず、それはそれとして、絵が巧いので、絵が巧いなーという感想は起こってしまうのだが、個人的には、そういう面もある中で「目的」がハッキリしているイラストレーションの数々が思いのほか面白く見る事が出来て楽しかった(自分がイラストレーターだから当たり前かもしれないが)。
というのと、個人的に中盤にあるビデオ作品などのアイデアの数々も面白く(というより、絵よりもこっちの方が面白かったかもしれない程で)、そのへんはやはり現代美術的な感じだな〜という複合感というか、あっち行ったりこっち行ったりの混交みたいなものを感じて、そのへんの鮮やかさが自由度の高さを感じる感想にはつながるのだろう。
あと、この同時期に、ご近所の足利美術館で石田徹也展がやってたのもある意味では面白い。なんというか、対照的な感じだ。