滑り込みで行ってきた。物量が多いわけではないけど、すばらしい内容。堪能した。組み合わせの妙だったり、センスのよさ。グラフィックデザイン的にも参考になる。
テートの巡回展だけあって、すごい良質なコレクションだった。ここ最近見た展覧会の中でも一番粒ぞろいだったかもしれない。
ヌードというと、ルネサンスのイメージがあったが、テートなのでイギリス美術中心で、19世紀ぐらいから始まり、最近の絵も多い感じ。特にジョン・カリンは、実物見たかったけど、今まで見る機会なくて、今回初めて見た気がするけど、すごいよかった。
全体の中でいうと、ボナールの絵が抜群に良かった印象。マチスの裸婦像の彫刻も初めて見た気がするけど、飾られてるものと比較すると、絵より圧倒的に良いのではないかと思った。ジャコメッティの像も素晴らしかったし。バーバラ・ヘップワースの像も素晴らしかった。もちろん、今回の展覧会の売りのロダンの接吻もよかった。
全体的に言うと、彫刻がよかった気もするが、もちろん、油彩画の良いものも多い。素描も結構あって、それもよかった。ターナーのスケッチとか、ベーコンのスケッチとか、貴重なものを見られた。
内容的にもヌードの変遷が体感的に入ってくる感じなのだけど、最終的に現代の方はテーマ性が高く、重たい内容というか、心に直接訴えかけるようなものが多いのが印象的だった。美術というものそのものが変わったんだなーという事を感じさせるような構成というか、もう戻れないのだとしても、どちらが良いのか考えさせられる内容だった。