レビューとメモ

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井上雄彦「リアル13巻」

 

 

REAL 13 (ヤングジャンプコミックス)

REAL 13 (ヤングジャンプコミックス)

 

 

 

 

すさまじい一作  ☆☆☆

 

 

まず表紙の絵からして凄い。普通といえば、普通の絵だが、何かただならぬ力を感じる。

 

 

内容的には、リアルというマンガの中の一つの話としてプロレスの試合を描いている。

 

ほぼ一巻まるごと、プロレスの話なので、かなり独立したものとして読めるのが、この13巻だ(リアルは普段はバスケットの話をやっている)。

 

 

このマンガだが、話の内容云々というより、とにかく描写がうまい。マンガが巧いというか、ぐいぐい話に引き込まれる。

 

と同時に「それを超えた何か」が描写の中にある。このへんは、話の内容と同期していて、そのへんでマンガのタイトル通り、「リアル」を感じられる。

 

 

プロレスは、自分は最近はあまり見てなかったのだが、学生の頃には熱心に見てたので、作中で描かれる内容が余計伝わって来るというのもあるかもしれない。プロレスを見る時の熱い感情は、なかなかプロレスを見なければ味わえないのだ。

 

 

しかし、このマンガはマンガでありながら、それと同種の感情を味わう事が出来る。これは、なかなか物凄い事なのではないか。

 

 

無論、作品だから、それプラスαで色々な感情が渦巻く。とにかく、妥協せずに仕事に取り組む事の凄みをこのマンガはその全てで表現している。悪役(ヒール)を描く事で、さらっと「今っぽい話題」を取り入れてる手並みも凄いし。これは傑作と言えるだろう。

 

 

但し、ストーリーマンガの一編なので、それまでを読んでない人には、もしかしたら分からない部分もあるのかもしれない。自分は読んで来てるので分かるけども。

 

あと、作風的には、自分の好みとかなり異なるので、☆の数はちょっと低めかも。。。